コント

自分がお笑いを好きになったきっかけは何だっただろうか、と考えてみると、幼少期には「志村けんのバカ殿様」の放送日にテレビにかぶりつきだったことを思い出しました。

「バカ殿様」はお城の内部を再現したセットの中で、自由奔放な若殿様に手を焼く家臣たちを描いた「コント」です。セットを見れば「ああ、お城の中の話なんだな」とわかり、煌びやかな袴姿にチョンマゲ、そして扇子を見れば「お殿様が主人公か」とわかり、話が始まってすぐにおおよその舞台設定を理解することができます。言うことを聞かない若殿様が問題を起こし、家臣たちが走り回る様子は子供ながらに「次は何をやらかしてくれるんだろう」とわくわくしたものです。

ですが、「お笑い」と言うとスーツを着た2人がサンパチマイクを挟んでしゃべくる…いわゆる漫才を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。漫才はそれこそあの勢いと一種の言葉遊びがなんとも笑いのツボをくすぐってくる素晴らしいお笑いではありますが、小さい頃、漫才を見て今のように「お笑いって最高だな!」となっていただろうか、と考えると、幼い頃の自分がしっかりとその面白さを理解するには少し難しかったような気がします。その点、コントである「バカ殿」は幼い頃の自分にも直感的に分かる部分が多かったからこそ、親しみやすかったのでしょう。

コントは元々フランス語の「conte」が語源で、「寸劇」を意味する通り、劇を見る感覚で気軽に見ることができます。と言っても、最近ではシュールな芸風のコントや、所々で張られた伏線を最後の最後に回収し、「そういうことだったのか!」と気づかされるどんでん返しが芸風のコントなども多いので、一重に子供が気軽に楽しめるということではありませんが、「お笑い」を好きになるきっかけとして、一番取っ掛かりやすいのがコントであることは間違いないでしょう。