落語

漫画を読んでいると、何故か頭の中でキャラクター達がしっかりと音声付で話し始める時ってありませんか?好きだった漫画がアニメ化されると思っていた声と違って違和感を感じるなんてことも…落語はその逆です。舞台の上には噺家が1人だけ。たった1人で複数の登場人物を身振り手振り、声色などで演じ分けながら物語を語りだけで伝えていきます。例えば女性を演じるとき、演劇のようにカツラを被ったり化粧をしたりすることもなく目の前にはどう見ても男性がどっしりと座っているにも関わらず、何故か脳内では女性がしなやかに語りかけてくるんです。漫画が視覚から聴覚を補うのに対して、落語では聴覚から想像力を頼りに視覚を補うんですね。想像力の補填として小道具も使用されます。特によく使われるのは扇子と手ぬぐいで、扇子で箸や刀、手ぬぐいで本や財布などを表現します。落語界では手ぬぐいはあらゆるものを表現できるとして、仏教で世界を象徴する言葉である「マンダラ」とも呼ばれているそうです。

最近では噺家の話を注意深く聞き、想像力を膨らませる、「集中力」と「想像力」が養われるとして落語を子供にすすめる親御さんも多いそうですよ。確かにインターネットが普及した現代、大体は音声と一緒に映像も付いてきますし、想像力を働かせる場面って少なくなってきているのかもしれませんね。

落語は「マクラ」「本題」「落ち(サゲ)」の3つで構成されています。落語初心者の方はこのマクラを注意深く聞くようにしましょう。マクラは所謂本題への導入で、本題でわかりにくいと思われる言葉をさりげなく入れることで、本題をわかりやすく聞く手助けをしてくれますよ。また、世間話のように話されるので、本題前にお客さんの緊張を解く役目も果たしています。